Research Press Release

デングショック症候群に関連する遺伝的多型

Nature Genetics

2011年10月17日

デングショック症候群に関連する遺伝的多型が新たに同定された。デングショック症候群は、デング熱患者の命にかかわる重症合併症で、小児患者に罹患率が高い。

今回、M Hibberdたちは、ベトナムのデングショック症候群の小児症例(2,008人)を対象としたゲノムワイド関連解析を行ってから、別の1,737症例で追試を行い、解析結果の再現性を確認した。その結果、小児のデング熱患者のゲノム上に、デングショック症候群感受性に関連する2つの座位が同定され、そのうちの1つは、主要組織適合複合体(MHC)領域で同定された。この領域には、免疫系の調節に関与する遺伝子が数多く含まれている。このことは、免疫応答におけるナチュラルキラー細胞とCD8+T細胞の活性化が何らかの役割を果たしている可能性を示唆している。もう1つの座位には、PLCE1遺伝子の多型が含まれている。この多型は、腎臓疾患の一種であるネフローゼ症候群に関連していることが既に明らかになっている。ネフローゼ症候群とデングショック症候群には、いくつかの共通の症状がある。

doi:10.1038/ng.960

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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