進化:白亜紀-古第三紀の大量絶滅の後にヘビの多様性が進んだ
Nature Communications
2021年9月15日
6600万年前の白亜紀-古第三紀の大量絶滅事象は、ヘビ種の多様性が急速に増すように作用した可能性のあることを示唆する論文が、Nature Communications に掲載される。
白亜紀-古第三紀の大量絶滅事象は、地球上の生物種の推定76%の消失をもたらしたが、その後、脊椎動物のいくつかの分類群で種の多様性が増大した。しかし、大量絶滅事象がヘビの進化に及ぼした影響は明らかになっていない。
今回、Nicholas Longrich、Catherine Kleinたちは、絶滅していないヘビ分類群(115群)の間の進化的関係、DNA上の変異発生率、化石種と非絶滅種のヘビの地理的分布に関するそれぞれのデータを組み合わせることによって、ヘビの進化史を再構築した。その結果、大量絶滅事象を生き残ったヘビはわずか6系統で、大量絶滅事象の頃にヘビ種の多様性が増大したこと、そして、ヘビの体型と体サイズの範囲が大量絶滅事象後に拡大し、ギガントフィス(Gigantophis)とティタノボア(Titanoboa)という巨大ヘビが出現したことが分かった。著者たちは、大量絶滅事象の頃にボア科とクサリヘビ科を含む分類群がアジアに出現し、現生種のニセサンゴヘビ、ホソメクラヘビ、メクラヘビを含む分類群も出現したことも示している。
著者たちは、ヘビには、めったに餌を取らなくても生きられる能力があり、大量絶滅事象後に競争者や捕食者が絶滅したため、ヘビの生存とその後の多様化が可能になったと結論付けている。
doi:10.1038/s41467-021-25136-y
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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