古生物学:中国に生息していた恐竜の解明に役立つ3点の化石
Scientific Reports
2021年8月13日
中国北西部で発見された3点の恐竜化石は、新種2種の化石であり、同地域で初めて発見された脊椎動物種に含まれることを報告する論文が、Scientific Reports に掲載される。この知見は、中国の竜脚類に関する新たな手掛かりとなる。
今回、Xiaolin Wangたちは、以前にトルファン-ハミ盆地(新疆ウイグル自治区)で発見され、白亜紀前期(約1億3000万~1億2000万年前)と年代決定された化石断片(脊椎骨と胸郭)を分析し、この遺骸化石の特定の特徴(脊椎胸郭構造)を中国やその他の地域の他の竜脚類恐竜と比較した。
Wangたちは、第1の化石標本を新種と特定し、Silutitan sinensisと命名した。その頸椎骨のいくつかの特徴から、竜脚類Euhelopodidae科に属することが見いだされた。Euhelopodidae科恐竜は、これまで東アジアでしか発見されていなかった。Wangたちは、この化石標本を、それと近縁だと彼らが考える恐竜の分類群、つまり属(エウヘロプス属)と比較して、この化石標本がもともと20メートル以上の長さだったと推定した。
Wangたちは、第2の化石標本も新種であることを突き止め、Hamititytan xinjiangensisと命名した。この化石標本には、7点の尾椎骨が含まれており、Wangたちは、第4脊椎から第10脊椎だと考えている。そして、Wangたちは、椎骨に沿った形状と隆起から、これが竜脚類ティタノサウリア科に属することが示唆されたと結論付けている。ティタノサウリア科恐竜は、アジアと南米に数多く生息していた。Wangたちは、この化石標本を、彼らがそれと近縁と考えるラペトサウルス属とオピストコエリカウディア属と比較して、化石標本の全長を17メートルと推定している。
第3の化石標本は、4点の椎骨と肋骨の断片のみによって構成されている。Wangたちの分析では、これが竜脚類のSomphospondyliクレードという恐竜分類群に属し、ジュラ紀後期(1億6030万年前)から白亜紀後期(6600万年前)まで生息していたことが示唆されている。
これらの化石標本は、トルファン-ハミ盆地で初めて発見されたことが報告された恐竜化石に含まれており、これによって、この地域でこれまでに知られている中生代の爬虫類の多様性が増加したことになる。以上の知見は、どの竜脚類恐竜が中国に生息していたのかを知る手掛かりになる。
doi:10.1038/s41598-021-94273-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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