材料:圧力を加えると強靭になる「鎖かたびら」風の布地
Nature
2021年8月12日
鎖かたびらから着想した布地について報告する論文が、今週、Nature に掲載される。この布地は、柔らかくて曲げられる状態と硬い状態との切り替えができる。この材料は、さまざまなロボット用途と医療用途で役立つ可能性がある。
布地の特性は一般に、通常、素材の特性と織物構造の組み合わせによって定められる。これに対して、スマート布地は、適応性のある材料で、例えば、外部刺激に応じて変化する。
今回、Chiara Daraioたちは、繊維ではなく、3Dプリンターで作製された高分子素子が相互に結合してできた布地を考案した。この布地は、柔らかい形状と硬い形状が徐々に切り替わる。この布地は、天然状態では、柔軟性があり、複雑な形状の物体を包み込むことができる。この布地に圧力をかけると、相互に結合した粒子が詰め込まれて、この布地の剛性が、弛緩した状態の約25倍に達した。その結果生じた構造では、自重の30倍以上の荷重を保持できた。Daraioたちは、このような特性は、再構成可能なウエアラブル構造体において有望であると指摘している。こうしたウエアラブル構造体では、布地を人間の体形にフィットさせて、あるいは複雑な構造を形成させて、所定の位置に固定する必要があると考えられる。同時掲載のNews & Viewsでは、Laurent Orgéasが、期待される用途としては、「生物医学、スポーツ、軍用エクソスケルトン」や仮設避難施設の建設などが考えられると示唆している。
doi:10.1038/s41586-021-03698-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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