Research Press Release
気候変動下での最適な生物多様性保全対策とは
Nature Climate Change
2011年9月19日
このほど、世界で最も存続が脅かされている生態系の1つであるフィンボス(南アフリカ共和国)において、気候変動下で絶滅リスクを最小限に抑えるための最も効果的な保全対策を調べる研究が行われた。その結果を報告する論文が、Nature Climate Change(電子版)に掲載される。
B Wintleたちは、生態学的予測と経済的意思決定の枠組みを組み合わせて、フィンボスにおける2つの保全活動(火災リスクの管理と生息地減少の最小化)の優先順位を分析した。その結果、利用可能な予算額の増加に応じて一方から他方への切り替えを2度行うという直観に反した投資戦略が最適なことが明らかになった。Wintleたちは、投資額の選択が、投資先や活動内容の選択と同じくらい重要なことが、この新知見に示されていると主張している。
気候変動によって生物多様性に対する重大なリスクが数多く生じていることは十分に確立されているが、保全計画立案者が現実的な予算の範囲内でこのリスクに対処するために役立つ情報がほとんどない。今回の研究に示されたような優先順位付け方法は、種の消失を最小限に抑え、意思決定のロバスト性を評価するために、いかなるスケールでも適用可能だ。
doi:10.1038/nclimate1227
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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