がん:がんを早期に検出できる可能性のある血液検査
Nature Communications
2020年7月22日
5種類の一般的ながんを、従来の診断法より最大で4年早く発見できる可能性のある非侵襲的な血液検査について報告する論文が、Nature Communications に掲載される。
腫瘍は、外科的に切除したり、適切な薬剤で治療したりすることができるため、がんの早期発見によってがん患者の生存率が有意に上昇する。しかし、そのためのスクリーニング検査は、一部の種類のがんにしか適用できず、種類も少ない。
今回の論文で、Kun Zhangたちの研究チームは、血液検査によるがんスクリーニング検査「PanSeer」について記述している。PanSeerは、血液中のがん特異的なメチル化の特徴を調べる。今回の研究で、Zhangたちは、無症状者605人から採取した血漿検体を分析し、うち191人は、後にがんと診断された。また、Zhangたちはこれとは別に、がんと診断された患者223人の血漿検体と、200点の原発腫瘍検体と正常組織検体も分析した。その結果、PanSeerによって、がん診断後の患者だけでなく無症状者において5種類の一般的ながん(胃がん、食道がん、大腸がん、肺がん、肝臓がん)を高い特異性で検出でき、がん無症状者については従来の診断法よりも最大で4年早く検出できることが明らかになった。
Zhangたちは、PanSeerは、後にがんを発症する患者を予測できる可能性は低いと強調している。その一方で、PanSeerは、すでにがん性腫瘍を持っているが、現行の検出法では無症状とされる患者を発見できる可能性が非常に高い。Zhangたちは、今後、PanSeerに関する大規模な縦断的研究を行って、がんの診断を受けていない人からがんを早期発見できる可能性があるかを確かめる必要があると結論付けている。
doi:10.1038/s41467-020-17316-z
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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