物理学:伝染モデルを用いて交通渋滞をマッピングした
Nature Communications
2020年4月8日
感染症の拡大を予測するモデルを用いて、都市部での交通渋滞の伝播と解消に関する特徴を明らかにできることを報告する論文が、今週Nature Communications に掲載される。
都市ネットワークにおける交通渋滞の拡大は、複雑な現象であり、その分析には計算負荷の大きなモデルが必要になると考えられることが多い。一方、モバイルセンサーが開発、展開されると、連続空間データを生成する機会が得られる。このデータを用いれば、道路交通状況の推定をリアルタイムで行うことができ、これをモデル製作者が利用できる。
今回、Meead Saberiたちの研究チームは、1つの集団における感染症の拡大を記述するために用いられる感受性–感染–回復モデルを調整したモデルを用いて、都市部の交通渋滞に関する特徴を明らかにできることを実証した。Saberiたちは、メルボルンの道路網のコンピューターシミュレーションと6都市(メルボルン、シドニー、ロンドン、パリ、シカゴ、モントリオール)の交通データを用いて、上記モデルの妥当性を確認した。その結果、それぞれの都市は、地理的条件が異なっているにもかかわらず、交通渋滞の拡大パターンに一貫性が認められるという傾向が判明した。また、Saberiたちは、このモデルを応用して、交通渋滞の継続時間をできるだけ短縮するための最適制御戦略を開発できる可能性があるという考えを示している。ただし、この伝染モデルは、感染者が一旦回復すれば二度と感染しないことを前提としているため、Saberiたちは、渋滞が解消した道路網でその後渋滞が再発する状況を記述できていない。
doi:10.1038/s41467-020-15353-2
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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