クラゲが近くで泳いでいると突き刺されたような痛みを感じるのはなぜか
Communications Biology
2020年2月14日
サカサクラゲ属のCassiopea xamachana の粘液に含まれる刺細胞からできている構造が明らかになり、cassiosome(カッシオソーム)と命名された。カッシオソームは、被食者を殺すことができ、マングローブ林の流域でシュノーケリングをする人々が経験するstinging waterという感覚を引き起こしている可能性が高い。今回の研究結果を報告する論文が、Communications Biology に掲載される。
マングローブ林の流域に生息するサカサクラゲ属のクラゲは、浅瀬の底で上下逆さになっており、フワフワした口腕が上向きについている。米国フロリダ州、カリブ海、ミクロネシアの周辺でシュノーケリングをする人々は、クラゲに直接接触していないのにクラゲに刺された感覚(stinging water)を経験したことをかなり以前から報告している。その原因については、数々の学説が提唱されてきたが、正確な原因は分かっていない。
今回、Gary Voraたちの研究チームは、サカサクラゲ属に関する科学文献を1900年代初頭までさかのぼって調べて、stinging waterに関する手掛かりを探した。その結果、サカサクラゲ属動物が分泌する粘液に非常に小さな細胞塊(カッシオソーム)が含まれていることが判明した。Voraたちは、顕微鏡を使って、カッシオソームの外層が数千個の刺胞(クラゲの刺細胞)に覆われていることを発見した。刺胞は、クラゲの触手の特殊化した細胞に通常含まれている毒素入りカプセルである。そして、Voraたちは、クラゲがカッシオソームを含む粘液を小さな手榴弾のように水中に放出して、stinging waterを生じさせることを明らかにし、C. xamachana の近縁種(4種)からもカッシオソームを発見した。
doi:10.1038/s42003-020-0777-8
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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