Research Press Release
内分泌学:テストステロンの疾患リスクへの影響は女性と男性とで異なる
Nature Medicine
2020年2月11日
テストステロンの量は心代謝性疾患やがんのリスクに影響を及ぼす可能性があるが、影響の仕方は女性と男性で異なることが報告された。
テストステロンは女性と男性の両方が産生するホルモンの一種で、テストステロン補充療法は骨の健康、性機能や体組成の改善に広く使われている。しかし、テストステロンが疾患の転帰に及ぼす影響については、ほとんど分かっていない。
今回J Perry、T Fraylingたちは、英国のバイオバンク研究参加者42万5097名から得られたテストステロン量のデータと遺伝的データを使って、テストステロンを調節している2571の遺伝的変数を調べ、それらと2型糖尿病や多嚢胞性卵巣症候群のような代謝疾患、それにがんとの関連を調べた。遺伝的にテストステロン量が高い傾向のある女性では、2型糖尿病リスクが37%、多嚢胞性卵巣症候群のリスクが約50%も高くなることが分かった。男性では、高めのテストステロン量は一般に保護作用を示し、2型糖尿病のリスクは15%近く下がった。また高いテストステロン量は、女性では乳がんと子宮内膜がん、男性では前立腺がんリスクの上昇につながることも明らかになった。
これらの知見は、テストステロンが健康に及ぼす影響に女性と男性で違いがあることを示していて、今後の臨床研究では性別特異的な遺伝的解析が必要であることがはっきりしたと著者たちは考えている。
doi:10.1038/s41591-020-0751-5
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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