Research Press Release
珍しい月の火山活動
Nature Geoscience
2011年7月25日
珍しい非玄武岩性火山活動が月の反対側で見つかったという報告が、Nature Geoscience(電子版)に寄せられている。この発見は、これまでは月の表側で発見されていた非玄武岩性火山活動は、月全体にわたりいくつかの場所で起きていることを示唆している。
B Jolliffたちは、ルナー・リコネッサンス軌道船に搭載されたカメラの画像とダイバイナー月放射計で得られた組成分光データを用いて、月の裏側で周りと異なるコンプトン・ベルコビッチ地域の組成を評価した。この地域の表面は側面の傾斜が険しい多数のドームからできており、この点について、研究チームは火山性ドームが粘性の高い溶岩流により形成されたと解釈している。岩石はトリウム、シリカおよびアルカリ長石鉱物に富んでおり、溶岩が組成的に進化したもので、月の至るところで見られる月の海を形成する黒い玄武岩とは全く異なっていることを示唆している。
News & ViewsでN Petroは、次のように述べている。「アポロの試料が、組成的に進化したマグマが月の表面全体に分布している可能性を最初に示唆してから、40年以上が経った。しかし、最近行われた多くの探査によるデータのおかげで、月は今でも我々を驚かせ続けている」。
doi:10.1038/ngeo1212
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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