【保全】アフリカゾウの密猟が減っている
Nature Communications
2019年5月29日
アフリカゾウの密猟率が2011年以降低下しているという分析結果を報告する論文が、今週掲載される。この論文では、サハラ砂漠以南のアフリカ53地点での密猟の減少が、中国での象牙の需要の変化と相関していたと報告されている。しかし、密猟率の地域差は、各地域での汚職と貧困の指標と関連していた。
アフリカゾウの密猟は2000年代初頭に増加し、その個体数は保護区の内外で7年間に30%減少した。象牙の取引を抑制するための国際的な介入が実施されているが、これらの政策の有効性は明らかになっていない。
今回、Severin Hauenstein、Colin Bealeたちの研究グループは、サハラ砂漠以南のアフリカ29カ国に設定されたアフリカのゾウ違法捕殺監視システム(Monitoring the Illegal Killing of Elephants;MIKE)の観測地点53カ所で2002~2017年に得られた年間死体発見率のデータを分析し、その結果を各地域と世界の社会経済的要因(象牙価格を含む)と比較して、密猟率に関連するプロセスを明らかにした。その結果、年間の密猟による死亡率がピーク時の2011年の10%から2017年には4%未満に低下し、これが中国の主要市場で象牙の需要が減少したことに関連していたことが明らかになった。
しかし、観測地点による密猟率の変動は、貧困レベル(乳児死亡率と貧困密度によって測定)と汚職レベル(腐敗認識指数による)に関連していた。著者たちは、法執行へのさらなる投資は密猟率の低減に役立つかもしれないが、保護区に隣接するコミュニティーの汚職と貧困に取り組むための包括的な社会経済戦略の方が大きな効果をもたらす可能性があると主張している。
doi:10.1038/s41467-019-09993-2
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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