Research Press Release
注意欠如・多動性障害(ADHD)に関する遺伝学的知見
Nature Genetics
2018年11月27日
このほど実施されたゲノムワイド関連解析によって、注意欠如・多動性障害(ADHD)に関連する遺伝的バリアントが同定されたことを報告する論文が、今週掲載される。これらのバリアントは、ADHDに関連する遺伝的シグナルとして初めて発見された。
今回、Stephen Faraone、Anders Borglum、Benjamin Nealeたちの研究グループは、5万5000人以上のデータを解析し、ADHDに関連する12のゲノム領域を発見した。さらなる解析から、これらのゲノム領域が中枢神経系に影響を及ぼしている可能性が非常に高いことが判明した。著者たちは、ADHDと他の200種以上の疾患や形質との間の遺伝的相関を推定し、そのうちの43種の疾患や形質(大うつ病性障害、神経性食欲不振症、不眠症など)がADHDと同じ遺伝的シグナルに関連することを明らかにした。
また、著者たちは、シナプス形成、言語発達、学習、およびドーパミンの調節に役割を担う遺伝子の候補を同定している。このことは、小児と成人の両方で、ADHDのためのより効果の高い新たな治療法を開発する上で重要な意味を持つ可能性がある。
doi:10.1038/s41588-018-0269-7
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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