Research Press Release
細胞レーザー
Nature Photonics
2011年6月13日
緑色蛍光タンパク質を発現する細胞から作られた「生きているレーザー」が、Nature Photonics(電子版)で発表される。現在はまだ初期段階なので、このレーザーの応用についてはほとんど推測の域を出ないが、新しいタイプの生体イメージング、センシング、サイトメトリーの開発に役立つかもしれない。
すべてのレーザーが機能するためには、光学利得媒質が必要である。通常、これらは、ドープ結晶(希土類添加結晶)、半導体、液体色素や気体などの無生物物質から作られる。Malte GatherとSeok Hyun Yunは、特別設計の高反射微小共振器内に1個の単細胞からなる生体利得媒質を配置してレーザーを作製した。青色の光パルスを照射すると、細胞は明るく方向性のある緑色のレーザービーム光を放出した。
そのような有機利得媒質は、自己再生・自己修復できるばかりでなく、本質的な生体適合性がある。
doi:10.1038/nphoton.2011.99
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:チンパンジーはアンドロイドからのあくびがうつることがあるScientific Reports
-
気候変動:干ばつの深刻化を招く要因の評価Nature
-
生物学:母親の鉄欠乏がマウスの雄の性決定に影響を及ぼすNature
-
気候:海と大気の相互作用が2023年の北大西洋熱波をもたらしたNature
-
天文学:天の川銀河はアンドロメダ銀河との衝突を回避できるかもしれないNature Astronomy
-
生体医工学:AIペンが筆跡からパーキンソン病を検出Nature Chemical Engineering