Research Press Release
カイコの歴史を紡ぐ
Nature Ecology & Evolution
2018年7月3日
カイコの繭は、世界有数の価値ある材料となっている。しかし、カイコの飼養化の詳細な歴史はよく分かっていない。
今回Shuai Zhanたちは、中国、ヨーロッパ、日本、およびインドのカイコ137系統の遺伝物質を解析した。解析の結果、カイコが5000年前の中国で野生原種であるクワコ(Bombyx mandarina)から飼養化されたことが確認された。また、中国、南アジア、ヨーロッパを結ぶ古代の有名な交易路「シルクロード」に沿って、複数回にわたって分散したことを示す証拠も発見された。その後、特徴的な改良系統が中国と日本で育種された。
Zhanたちはさらに、生糸の生成に関連する遺伝子の選択が行われたことを見いだした。これらの遺伝子には、絹タンパク質の産生に重要な窒素とアミノ酸の代謝に関与するものが含まれていた。また、概日リズムの変化、繭の大型化、および熱帯環境での繁殖サイクル数の増加など、カイコの飼養地域によって、それぞれ異なる適応を遂げてきた証拠も発見された。
doi:10.1038/s41559-018-0593-4
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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