バラのゲノムを解読する
Nature Genetics
2018年5月1日
モダンローズといわれるバラの品種を用いてゲノム解析が行われた。得られた参照配列は、バラの独特な色や匂いをもたらす遺伝子や代謝過程を解明するための分子的な手掛かりとなる。
モダンローズは、その美しさと匂いが珍重されている。品種改良のためには遺伝的情報を十分に利用することが必要だが、そのためには、バラの複雑なゲノムを解読していかねばならない。すでにバラのゲノムは構築されているが、それは高度に断片化された配列で、解読が難しかった。
今回、Mohammed Bendahmaneたちの研究グループは、長鎖配列解読技術と小胞子培養プロトコルを適用して、モダンローズの一種であるコウシンバラ(Rosa chinensis、「オールド・ブラッシュ」と呼ばれる)の高精度ゲノムを組み立てた。このゲノム配列は、現在の植物ゲノム塩基配列の中で最も完全な形を有するものの1つである。また、Bendahmaneたちは、コウシンバラと他の植物(イチゴ、アンズ、モモ、リンゴ、セイヨウナシ)との比較ゲノム解析を行い、バラの祖先と進化について研究し、ゲノム情報と生化学的解析、分子解析を組み合わせることにより、バラの色と匂いに関連する分子経路を新たに同定した。
さらに、Bendahmaneたちは、バラの栽培種の遺伝的改良において標的候補となり得る開花関連の遺伝子候補を同定した。この論文に示されたゲノムリソースと新たな知見は、研究者と育種家がバラの開花、色、水利用効率や匂いを工夫したり、切り花にしたときの日持ちをよくしたりするための基盤の情報となるだろうと報告している。
doi:10.1038/s41588-018-0110-3
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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