Research Press Release
【物理学】「メーザー」の性能向上にダイヤモンドが一役
Nature
2018年3月22日
「メーザー」はレーザーに先立って開発されたマイクロ波の発振器であり、室温で連続動作する改良版のメーザーについて報告した論文が今週掲載される。この新しいメーザーは、将来的には磁気共鳴画像法(MRI)、安全な通信、精密測定に至るさまざまな用途に利用される可能性がある。
固体メーザーは1960年代に初めて開発されたが、通常は極低温冷却系と高真空系を必要とするため、応用範囲が比較的限られている。最近では、有機分子結晶を使って室温メーザーが作製されたが、熱的特性と機械的特性が劣る傾向があり、連続モードではなくパルスモードのみで動作する。マイクロ波の連続発振を達成するためには、別の物質を使用する必要があり、有機物質よりも熱的特性と機械的特性の優れたダイヤモンドや炭化ケイ素のような無機物質が提案されてきた。
今回、Jonathan Breezeたちの研究グループは、ダイヤモンドの欠陥である窒素-空孔中心を使った室温連続発振メーザーを実証した。メーザーは現在、深宇宙通信と電波天文学に利用されているが、この新しいメーザーは今後、応用範囲が医療技術、セキュリティー技術、および量子技術にまで広がる可能性がある。
doi:10.1038/nature25970
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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