Research Press Release
【惑星科学】火星の地表に水がないのは水分がマントルに送り込まれたためである
Nature
2017年12月21日
火星では形成後間もなく地表の水がなくなってしまったのに対し、地球では地表の水が残って生命の進化に適した条件が生じた理由を説明する論文が、今週掲載される。この研究では、火星上の玄武岩の保水率は、地球上の玄武岩よりも高く、火星上の水分の一部は地下水である可能性が示唆されている。
地球では、地質時代の大部分にわたって表層水が存在していたが、火星の表層水は、ごく初期の段階で失われてしまった。これまでの研究では、火星の表層水のかなりの部分が磁場の崩壊によって大気中に放出されたという考えが示されているが、これだけで火星上から水が失われたことを説明し切れない。
今回、Jon Wadeたちの研究グループは、溶岩との反応による玄武岩質地殻の形成の結果として地球と火星の表面から消失する可能性のある水の相対体積を算定した。その結果、火星上の玄武岩に鉄が比較的多く含まれ、保水率が地球上の玄武岩より約25%高く、玄武岩によって火星の地中(マントル)に水分が輸送されたことが明らかになった。Wadeたちは、地球の地質時代の初期には、火星と比べて地殻が軽く、地温勾配(深度とともに地温が上昇する速度)が急なものだったと結論付けている。そのために地球の表層水が上部マントルにため込まれることはなく、表面近くに残留したと考えられている。
doi:10.1038/nature25031
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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