Research Press Release
喘息と花粉症と湿疹の遺伝的性質
Nature Genetics
2017年10月31日
喘息と花粉症と湿疹に共通する遺伝的基盤として重要な免疫関連遺伝子が明らかになった。この研究により、アレルギー性疾患に関連するゲノム領域が新たに同定され、喘息と花粉症と湿疹が同時に発生することの多い理由を説明する上で役立つと考えられる。
喘息と花粉症と湿疹は、同時に発症する人が多いが、遺伝的原因が共通していることが一因となっている。今回、Manuel Ferreiraたちの研究グループは、アレルギー性疾患(喘息、花粉症または湿疹)の患者から得た遺伝的データを解析して、この3つの疾患に共通するリスク関連バリアントを同定した。今回の研究で同定された関連の大半は、この3つの疾患に特異的なものではなかったが、アレルギー性疾患の背後には類似したプロセスが存在することが示された。
今回の研究でアレルギー性疾患に関連する遺伝子として明らかになったものは130個以上に上る。これらの遺伝子は、免疫系と関連しており、新たな治療標的候補となることが分かった。以上の新知見は、アレルギー患者が喘息と花粉症と湿疹を併発していることの多い理由を解明する上で役立つものである。
doi:10.1038/ng.3985
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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