【生態学】温暖化する海洋で「ニモ」たちが減っている可能性
Nature Communications
2017年10月11日
「ニモ」でよく知られたクマノミは、巣としているイソギンチャクが海洋の温暖化によって白化すると、高いストレスを示し、生殖生産が低下することを明らかにした研究論文が、今週掲載される。
特定の海洋動物の白化は、その生存に不可欠な共生生物(緑色のゾオキサンテラ)が熱水やその他のストレス要因によって死滅するために発生する。白化は、サンゴに発生する現象としてよく知られるようになったが、熱波の際にイソギンチャクも白化することがある。
グレートバリアリーフでは2016年に夏季の異常高温とエルニーニョ現象の予報があった。その機会を利用したのがSuzanne Mills、Ricardo Beldadeたちの研究グループで、クマノミの巣であるイソギンチャクの白化の前中後にクマノミのストレスと生殖を測定した。今回の研究では、高温に耐え白化を免れたイソギンチャクを巣としていた幸運なクマノミのつがいが特定され、自然対照群とされた。この測定の結果、白化したイソギンチャクを巣としたクマノミは、白化していないイソギンチャクを巣としたクマノミと比べて、白化開始後にストレスホルモン濃度が上昇し、生殖ホルモン濃度が低下したことが明らかになった。また、白化したイソギンチャクを巣としていたクマノミのつがいは、産卵の頻度が低く、生存可能な稚魚の生産量も少なかったため、白化の影響が複数世代に及ぶ可能性が明確になった。
今回の研究は、サンゴ礁をすみかとする生物に対する海洋温暖化の数多くの連鎖反応的な影響を強調している。
doi:10.1038/s41467-017-00565-w
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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