Research Press Release
恐怖の普遍化
Nature Neuroscience
2011年5月9日
今回の報告によると、特徴のない音が不愉快な結果と結びつくと、類似した音との聞き分けが困難になる可能性がある。この発見は、外傷後ストレス障害の患者が、過去に受けた不快な結果を連想させる刺激に類似しているが無害な刺激に対してもしばしば反射的に反応する根拠として考え得る1つの可能性を示唆している。Rony Pazらは被験者に特定の周波数の音をある匂いと組み合わせて聞かせた。好ましい匂いのとき、被験者はその音を別の類似した音とうまく識別できた。しかし、不快な匂いと組み合わせた音では、類似音との識別がうまくいかなかった。この効果は、音と組み合わせる対象を匂いでなく他の音にしても、 訓練の翌日まで持続することが認められた。
doi:10.1038/nn.2802
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:南米の琥珀層に古代昆虫が「ひしめき合う」Communications Earth & Environment
-
気候変動:山火事の煙による年間死亡者数は増加すると予測されるNature
-
人工知能:DeepSeek-R1 AIモデルの背後にある科学Nature
-
医療科学:医療を導くAIツールNature
-
気候変動:温暖化によるサンゴ礁の緩衝機能の危機Nature
-
神経科学:繰り返される頭部外傷は若年アスリートの脳細胞を変化させるNature