Research Press Release
マラリアの重複感染のモデル化
Nature Medicine
2011年5月16日
既存のマラリア感染が別の種類のマラリア原虫による二次感染を防いでいるのは、宿主の肝臓において鉄を入手できにくくする、すなわち入手可能性を制約するためであることが明らかになった。この知見は、マラリア流行地域で貧血対策として行われる鉄補給に重要な意味を持つ可能性がある。
低年齢の小児では、マラリア原虫に対する免疫レベルが低いにもかかわらず、複数の系統のマラリア原虫による重複感染は珍しい。その理由を解明するため、M Motaたちは、マウスでマラリア原虫の重複感染をモデル化した。
血液中の原虫が閾値レベルを超えると、この血液への感染によって、宿主のヘプシジン(鉄調節ホルモン)が上方制御され、重複感染した原虫の肝臓型への発育が抑制された。ヘプシジンの増加によって、マラリア原虫がうまく肝臓型へと発育するのに必要な鉄の入手可能性が低くなったのである。これに対し、鉄補給を行うと、重複感染したマラリア原虫の肝臓型への発育が増加した。
doi:10.1038/nm.2368
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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