Research Press Release
【海洋学】海洋の動きを測定するロボットの一群
Nature Communications
2017年1月25日
詳細な海洋動態を調べることのできるロボットの一群について記述された論文が、今週掲載される。これは小型の自律ロボットで、従来の機器では測定が難しかった海洋の三次元運動を記録でき、海中での物理現象と生物学的現象に関する新たな手掛かりが得られることが期待されている。
最も理解が進んでいない海洋過程の一部(例えば、内部波の形成)は、1 mから数kmまでのスケールの海面下で起こる。こうした動態を観測するには複数地点での同時計測が必要だが、この課題には海中を漂流する計測装置の大群が適していることをJules Jaffeの研究チームが指摘している。今回の研究では、ほぼ継続的に三次元軌道を測定できる小型自律水中探索装置16台が5時間にわたって海中に配置され、内部波の運動を高分解能で再現できることが明らかになった。これらの小型自律ロボットは、プランクトンにおいて観察される編隊を模倣するが、このことは、海洋動態が生物学的過程に与える影響を説明する上でどのように役立つのかを実証している。
Jaffeたちは、この小型(体積が1.5リットル)で比較的低コストの探索装置を他の観測ツールと併用することで、外洋での物理的動態と生物学的過程の相互作用の理解を深めることができるという考えを示している。
doi:10.1038/ncomms14189
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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