Research Press Release
【化石】昆虫の葉への擬態は太古の昔からあった
Nature Communications
2016年12月21日
葉のように見える昆虫種が約2億7000万年前に生息していたことを明らかにした論文が、今週掲載される。この新知見により葉の擬態を示す化石記録が1億年以上も時代をさかのぼることになった。
キリギリスの現生種は、葉の擬態がよく知られており、それによって捕食者の目の前で身を隠すことができる。葉の擬態の最古の証拠は、中生代(約2億5,200万~6,600万年前)のものであり、キリギリス類自体の起源が、中生代のジュラ紀(約2億100万~1億4,500万年前)だと考えられていた。
今回、Romain Garrouste、Andre Nelたちの研究チームは、フランス南東部で出土した化石から見つかったキリギリス類の新種Permotettigonia gallicaについて説明している。この化石は約2億7,000万前(ペルム紀中期)のものと年代決定された。その前翅を分析したところ、葉を擬態する模様があり、キリギリスの現生種のものに非常によく似ていることが明らかになった。
植物の化石記録が十分に得られていないため、このペルム紀のキリギリスがまねていた植物種を同定することができないが、今回の研究によって得られた知見からは、太古のキリギリスが現生種と同じように捕食者の脅威にさらされており、植物擬態がこれまで考えられていたより古い時代から進化していたことが示唆されている。
doi:10.1038/ncomms13735
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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