Research Press Release
【心理学】正直が最良の政策
Nature
2016年3月10日
個人の正直さに社会が強い影響を及ぼすことを示唆する研究論文が、今週掲載される。腐敗、脱税、政治的不正が少ない社会では個人の正直さが強く、その逆も成り立つことが今回の研究で分かった。
今回、Simon Gachterたちは、現在利用可能な政治的不正、脱税、腐敗に関する2003年の人口統計データと経済データを用いて、159か国の「規則違反の蔓延(prevalence of rule violations)」指数(PRV)を構築した。今回の研究では、23か国(ベトナム、モロッコ、中国、英国、スペイン、スウェーデン、イタリア、チェコ共和国を含む)の2,568人の若者(平均年齢21.7歳)が参加して、サイコロを振って報酬が得られる行動実験が行われた。これらの参加者は、PRVによって測定される社会的背景が幅広く対象になるように選ばれた。その結果、規則違反の蔓延と本来備わっている正直さとの間に強固な結びつきのあることが判明し、PRV値の高い国(違反行為が多い)よりもPRV値の低い国(違反行為が少ない)の方が個人の正直さが強いことが分かった。
今回の結果は、正直さと遵法の規範が次世代に文化として伝わることと一致し、規範と制度が共進化するという考え方とも一致する。Gachterたちは、制度と文化遺産が弱いと社会に経済的悪影響が及び、社会の円滑な機能にとって重要な個人の正直さが損なわれる恐れがあると結論づけている。
doi:10.1038/nature17160
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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