Research Press Release
タンパク質からバイオ燃料
Nature Biotechnology
2011年3月7日
タンパク質からバイオ燃料を合成できるよう遺伝子操作した細菌の報告が寄せられている。この技術は、まだ商業利用できる段階には達していないが、バイオ燃料生産の現在の限界を解決する方法になる可能性がある。
現在のバイオ燃料は植物性の炭水化物や脂質から作られ、タンパク質は利用されないが、その一因は、バイオ燃料を生産する微生物が、増殖に使うためにタンパク質をとっておくからである。
J Liaoたちは、大腸菌の代謝経路を変えることによってこの問題を克服した。この改変細菌は、タンパク質の構成単位であるアミノ酸から窒素含有基を効率よく除去してアルコールを作る能力があり、これがバイオ燃料へと変換される。タンパク質は燃料に変換する原料として魅力的な分子である。なぜなら、タンパク質は現在の種々の工業過程で副産物として生じるし、微細藻類のような生物の中には、炭水化物や脂質よりもタンパク質を豊富に含むものもあるからである。
doi:10.1038/ nbt.1799
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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