Research Press Release

ペルム紀大量絶滅への石炭の寄与

Nature Geoscience

2011年1月24日

シベリアの石炭層が爆発的に燃焼したことが、2億5000万年前のペルム紀大量絶滅の際に海洋生物が大量死した原因となったとの報告が寄せられている。もし石炭の飛散灰(きわめて毒性が高い)が大量に大気中にまき散らされたとしたら、その後に海洋に落下することで海洋生命を毒殺した可能性がある。

S Grasbyらは、カナダ極域高緯度地域で得られたペルム紀の年代を持つ岩石から高濃度の炭粒子を検出した。粒子は、石炭の埋蔵地域からは遠く離れているにもかかわらず、現在見られる石炭の飛散灰(燃焼の際に生成される軽い粒子)ときわめてよく似ている。研究者は石炭がシベリア石炭層から来たものだと推測している。シベリアは、ペルム紀大量絶滅が起きたときは火山活動が活発であり、火山から噴出したマグマが周囲の石炭層に火をつけたことが示唆されている。Grasbyらは、広範に起きた石炭の爆発が飛散灰を大気中にまき散らし、それが全球上に拡散したことを示唆している。

doi:10.1038/ngeo1069

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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