Research Press Release
インフルエンザウイルスのチャネルが免疫応答を「誘導する」
Nature Immunology
2010年4月12日
インフラマソームはインフルエンザウイルスに対する宿主の防御応答に不可欠な経路の成分だが、インフルエンザウイルスがこの経路の始動させる仕組みが明らかになった。この知見は、インフルエンザウイルス感染の効果的な治療を考案するのに役立つかもしれない。
Akiko Iwasakiたちは、インフルエンザウイルスのM2タンパク質がインフラマソーム経路を刺激することを明らかにした。M2はイオンチャネルで、インフルエンザウイルスの病原性に重要な役割を果たすことがわかっている。インフルエンザウイルスによるインフラマソーム活性化には、M2のチャネル活性が必要であるとともに、これだけで十分であった。またM2を介したインフラマソーム活性化には、インフラマソームが細胞内のゴルジ体に存在する必要があった。
ほかのウイルスも同様なイオンチャネルを利用してインフラマソームを活性化しているのかを解明するには、さらに研究が必要である。
doi:10.1038/ni.1861
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
古生物学:南米の琥珀層に古代昆虫が「ひしめき合う」Communications Earth & Environment
-
気候変動:山火事の煙による年間死亡者数は増加すると予測されるNature
-
人工知能:DeepSeek-R1 AIモデルの背後にある科学Nature
-
医療科学:医療を導くAIツールNature
-
気候変動:温暖化によるサンゴ礁の緩衝機能の危機Nature
-
神経科学:繰り返される頭部外傷は若年アスリートの脳細胞を変化させるNature