Research Press Release
【材料科学】伸縮自在な音響デバイス
Scientific Reports
2015年7月16日
スピーカーとマイクとして作動する伸縮性音響デバイスについての報告が、今週掲載される。手首に装着した状態で音の録音と再生ができるこのデバイスは、引き伸ばしても安定性を保ち、性能の低下を起こさない。
近年の研究の進展でフレキシブルな音響デバイスが生産されるようになった。しかし、デバイスが引き伸ばされた際に機械的安定性を保つ材料を見つける必要があったため、この分野の発展は遅れていた。今回、Jeong Sook Haたちは、従来の硬い金属コイルの代わりにガリンスタン(液体金属合金)製の変形可能な液体金属コイルを用いて、伸縮性音響デバイスを作製した。このデバイスのスピーカー素子は、液体金属コイルとネオジム永久磁石の相互作用によって駆動される。
この音響デバイスは、手首に装着した状態や手で引き伸ばされた状態で、人間の声のような音と目覚まし時計のブザー音を録音、再生でき、機械的変形を何度も繰り返しても、人間の耳で感知できる周波数範囲(20 Hz~20 kHz)全体で正常に作動した。
doi:10.1038/srep11695
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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