注目の論文
【光学物理学】1秒に限りなく迫る
Nature Communications
2013年7月10日
Optical physics: When is a second not a second?
光格子を用いた原子時計2台の精度の測定結果を明らかにした論文が、今週掲載される。この種の原子時計によって、今まで以上に精度の高い1秒の定義が得られ、周波数と時間の測定精度を向上できる可能性が、この測定結果から示唆されている。
国際単位系によれば、1秒は、特定の遷移を起こすセシウム原子が放射する光の周波数によって定義されている。現在、これを測定するために、原子泉を用いた原子時計が使用されている。原子泉は、まるで噴水のように、原子を高く押し上げる技術である。最近になって、光を使って原子を捕獲し、詳細な測定ができる程度に長時間にわたって原子を捕獲し続ける別のタイプの原子時計が提唱され、検証された。今回、Jerome Lodewyckたちは、セシウムではなくストロンチウム原子における原子遷移を用いる2台の光格子時計の精度に関する測定結果を報告している。Lodewyckたちは、こうしたストロンチウム光格子時計を2台作製し、3台のセシウム原子泉時計を使って測定した時より精度が高いことを明らかにした。
今回の発見は、国際単位系の1秒を定義するための、新しいシステムへの一歩を表している。
doi: 10.1038/ncomms3109
注目の論文
-
10月31日
古生物学:アンモライト宝石が鮮やかな色を得る仕組みScientific Reports
-
10月30日
気候変動:南極の棚氷が海洋温暖化によって脅威にさらされているNature
-
10月30日
惑星科学:圧力下で水の世界が形成されるかもしれないNature
-
10月23日
環境:リチウムイオン電池リサイクルのための国際的な枠組みNature
-
10月23日
素粒子物理学:チームワークがニュートリノの挙動の理解を深めるNature
-
10月23日
量子物理学:「時間を逆転させる」ことで量子ダイナミクスを探るNature
