注目の論文
時間領域テレスコープ
Nature Photonics
2009年9月28日
Time-domain telescope
速度を「拡大する」時間領域テレスコープというフォトニックデバイスを使えば、現在の最新式システムの27倍の速さで電子データを送ることができる。Nature Photonics(電子版)で発表されるこの研究が、オンチップ・フォトニック集積回路や高速光通信に有用であることが証明されるかもしれない。
データレート高速化の要求が高まっているため、エレクトロニクス業界はこれに応えるのに奮闘しているが、増え続ける消費電力と毎秒100ギガビット以上のデータレートの実現可能性に対する懸念という問題に直面している。今回A Gaetaらは、この問題を回避するフォトニック方式を実証している。つまり、単純な低コスト電子デバイスによって生成するデータパケットを圧縮して、ほかの方法では実現不可能と思われる非常に速い速度で伝送できるようにしている。動作原理が従来型テレスコープ(望遠鏡)で画像を拡大する方法に似ているため、Gaetaらは、その方式を時間領域テレスコープとよんでいる。しかし、拡大するのは画像ではなく時間である。そのデバイスは、光を導波しレンズとしての役割を果たす2つのシリコン構造体を利用して、データパケットの速度を毎秒10ギガビットから毎秒270ギガビットまで拡大、すなわち増加させている。
doi: 10.1038/nphoton.2009.169
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