注目の論文
【惑星科学】近くの星の前面を通過する「スーパーアース」
Nature
2017年4月20日
Planetary science: ‘Super-Earth’ exoplanet found transiting nearby star
温暖で岩石質の惑星「スーパーアース」が、太陽から12パーセク(39光年)の距離に位置する小さな星の前面を通過したことが発見され、このことについて報告する論文が掲載される。
今回、Jason Dittmannたちの研究グループは、MEarth-South望遠鏡アレイによるM型矮星LHS 1140の観測結果について報告している。M型矮星は、質量が太陽の60%未満で、我々の太陽系で最も一般的な星のクラスだ。そして、Dittmannたちは、LHS 1140の前面を通過する惑星LHS 1140bが円軌道上を周回しており、この円軌道が惑星の形成時から存在していた可能性が非常に高いとしている。Dittmannたちは、視線速度の計測を144回行い、LHS 1140bの半径(地球の1.4倍)と質量(地球の6.6倍)を正確に求めたが、この結果は、LHS 1140bが岩石質の組成を有することを示唆している。また、LHS 1140bが受ける日射量は少なく、親星であるLHS 1140にとって液体の水が存在する生命生存可能領域(ハビタブル・ゾーン)内にあることも示唆されている.
Dittmannたちは、LHS 1140bが現在の位置に形成される過程が地球の場合に類似している可能性が非常に高いという見解を示している。また、Dittmannたちは、LHS 1140bの親星が小さく、地球の近傍に位置しているため、既存の望遠鏡と現在設置工事中の望遠鏡を用いることで、LHS 1140bの大気中に特定のガスを探索できる可能性があるとも考えている。
doi: 10.1038/nature22055
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