注目の論文
希少な眼疾患を眼科医並みに的確に診断するAI
Nature Biomedical Engineering
2017年1月31日
AI as good as ophthalmologists at diagnosing a rare eye condition
先天性白内障の診断で人工知能(AI)のアルゴリズムが個人の眼科医に匹敵する成績を収めたという論文が、今週掲載される。多施設共同研究用のクラウド基盤のプラットフォームとして運用されているこのアルゴリズムは、ほかの希少疾患の管理の改善にも役立つ可能性がある。 畳み込みニューラルネットワーク(視覚皮質の構成にヒントを得た接続パターンを持つ人工ネットワーク)は、大量のキュレーションデータでトレーニングを行うと、画像中の特定モチーフを正確に識別することができる。しかし、そうしたAI方式は、希少疾患のようにデータが乏しい場合に臨床で検証されたことがない。
Yizhi Liu(劉 奕志)たちは、先天性白内障の診断に畳み込みニューラルネットワークを用いたことを報告している。先天性白内障は、眼の水晶体の混濁を生じる希少疾患で、世界では小児の完全失明の約10%を引き起こしている。研究チームは、種々の困難な臨床状態を有する50例の患者群、症例対健常例の現実的な割合による「藁山の針」試験、および乳児が参加した第I相多施設臨床試験の57症例を利用した。その結果、そのAIアルゴリズムが、全体として90%を超える精度でこの疾患を診断し、その重症度を見極め、治療法を示唆することが示された。
doi: 10.1038/s41551-016-0024
注目の論文
-
5月11日
物理学:群れの中で個々の鳥が速度を調節する仕組みのモデル化Nature Communications
-
4月28日
工学:これまでの記録を塗り替えた新しい跳躍ロボットNature
-
4月28日
心理学:テレビ電話を介した交流では創造力が低下することが実証されたNature
-
4月27日
惑星科学:DNAを構成するピリミジン塩基が隕石から検出されたNature Communications
-
4月27日
電子工学:既存の銅線インフラが光ファイバーネットワークを補完して超高速ブロードバンドの実現に役立つかもしれないNature Communications
-
4月20日
惑星科学:エウロパの氷殻の下に水深の浅い液体の水域が存在している可能性Nature Communications