Volume 458 Number 7234

Editorials

米国は「医療の効果の比較」研究に多額の予算を投入するが、医療の費用対効果もからむ難しい課題であり、着実な成果を生むには慎重な取り組みが必要だ。

p.7

doi: 10.1038/458007a

米国の核廃棄物処理の方針は、まず科学的な根拠を得てから決定すべきだ。

p.8

doi: 10.1038/458008b

NASAは、打ち上げに失敗したOrbiting Carbon Observatoryに代わる二酸化炭素観測衛星計画を急ぐべきだ。

p.8

doi: 10.1038/458008a

News

英政府の研究、教育予算の詳細が発表され、大学に多額の助成が。

p.12

doi: 10.1038/458012a

Q & A 疾病モデルの開発に役立つ、非営利の公開包括的データベース構築を計画する2人の科学者に訊く。

p.13

doi: 10.1038/458013a

SPECIAL REPORT 米国の公立大学が、経済危機のあおりで苦境に立たされている。

p.14

doi: 10.1038/458014a

太陽系外惑星探査を目指す、NASAの宇宙望遠鏡ケプラーが打ち上げへ。

p.17

doi: 10.1038/458017a

米オバマ政権が、重点分野以外にも基礎研究など、科学分野全般の予算を大幅に増額。

p.18

doi: 10.1038/458018a

カナダと英国のチームが、ウイルスを使わずにヒト多能性幹細胞の作製に成功。

Virus-free pluripotency for human cells p.19

doi: 10.1038/458019a

News Features

バイオテクノロジー:Robert Langerという存在

Being Bob Langer p.22

世界最大規模の研究室を率い、数々の優れた研究成果を挙げ続けるマサチューセッツ工科大学教授の一日を追う。

doi: 10.1038/458022a

依存症:リハビリの見直し

p.25

長年にわたって実績を上げてきた米アルコール中毒者更生会の治療プログラムを、神経科学者たちが新たな目で見直している。

doi: 10.1038/458025a

News & Views

構造生物学:生きている細胞の内幕

p.37

タンパク質は、適切な三次元構造をとっているときにだけ、ちゃんと機能することができる。このような生体巨大分子が細胞内で機能している際の構造と動態が、ついに観察できるようになった。

doi: 10.1038/458037a

物性物理学:汚染された炭素導体

p.38

グラファイトの原子1個の厚さの層は金属に似た導電体だが、水素と反応すると絶縁体に変わる。この奇妙な効果は、金属-絶縁体転移を調べるための優れたモデルとなりそうだ。

doi: 10.1038/458038a

創薬:思っていたほどよくない

p.39

ペニシリンがカビから単離されて以来、天然に存在する抗生物質は創薬プログラムのよい出発物質となる、と考えられてきた。しかし、最新の研究は、これが常に正しいわけではないことを示している。

doi: 10.1038/458039a

宇宙物理学:ブラックホール連星系をとらえる

p.40

観測された銀河の成長からは、その中心に隠れていると考えられているブラックホールは、互いに相手を見つけて合体する可能性があることが示唆されている。銀河の大規模な観測で、緊密な連星系を形成している2個のブラックホールが、ついに観測網に引っかかった。

doi: 10.1038/458040a

がん:血管を黙らせる

p.41

腫瘍は酸素が不十分になると、侵襲的な腫瘍増殖と拡大が起こることがある。酸素感知因子であるPHD2の操作を使う方法は、酸素を断たれた腫瘍を静かにさせておく手段の1つになるかもしれない。

doi: 10.1038/458041a

化学物理学:一瞬で溶ける

p.42

レーザーによる結晶ビスマスの融解の際には、原子秩序の乱れが異例に速く生じるのが観察されることから、この相転移に関する新鮮な見方が生まれた。

doi: 10.1038/458042a

免疫学:死因は重要

p.44

プログラムされた細胞死の過程は、抗炎症性免疫応答を引き起こすこともあるが、活発な炎症を促進することもある。このどちらが始まるかは、死に瀕した細胞が感染していたかどうかによって決まるらしい。

doi: 10.1038/458044a

惑星科学:火星のマグマの揮発性

p.45

火星地表の地球化学的性質の大半は、噴出してマグマが玄武岩を形成することで決まる。最近、塩素がこうした過程に影響する物質であるという、新しい考え方が議論されるようになっている。

doi: 10.1038/458045a

Article

生理:Na+-ベタイン共輸送体BetPの輸送と調節の分子基盤

Molecular basis of transport and regulation in the Na+/betaine symporter BetP p.47

doi: 10.1038/nature07819

Letters

宇宙:サブパーセクの超大質量連星ブラックホールの候補

A candidate sub-parsec supermassive binary black hole system p.53

doi: 10.1038/nature07779

物性:ビスマスにおける原子運動および無秩序化の電子による加速

Electronic acceleration of atomic motions and disordering in bismuth p.56

doi: 10.1038/nature07788

材料:LaCu3Fe4O12における温度誘起A-Bサイト間電荷移動

Temperature-induced A-B intersite charge transfer in an A-site-ordered LaCu3Fe4O12 perovskite p.60

doi: 10.1038/nature07816

地球:2003年イラン・バム地震後にみられた浅部断層帯のダイラタンシーの回復

Shallow fault-zone dilatancy recovery after the 2003 Bam earthquake in Iran p.64

doi: 10.1038/nature07817

海洋:海洋植物プランクトンはリンの欠乏に応じて、リンを含まない脂質を用いる

Phytoplankton in the ocean use non-phosphorus lipids in response to phosphorus scarcity p.69

doi: 10.1038/nature07659

神経:鳴禽の発声学習の初期にみられる睡眠と感覚運動の統合

Sleep and sensorimotor integration during early vocal learning in a songbird p.73

doi: 10.1038/nature07615

免疫:アポトーシスを起こした感染細胞の自然免疫系による認識によってTH17細胞の分化が導かれる

Innate immune recognition of infected apoptotic cells directs TH17 cell differentiation p.78

doi: 10.1038/nature07781

細胞:II型脂肪酸合成はグラム陽性病原菌に対する抗生物質の適切な標的ではない

Type II fatty acid synthesis is not a suitable antibiotic target for Gram-positive pathogens p.83

doi: 10.1038/nature07772

細胞:N-WASPの交換速度が、ARP2/3複合体依存性のアクチンを介する運動を制限する

The rate of N-WASP exchange limits the extent of ARP2/3-complex-dependent actin-based motility p.87

doi: 10.1038/nature07773

免疫:カゼインキナーゼ1αは抗原受容体によって誘導されるNF-κB活性化とヒトリンパ腫細胞の生存を支配する

Casein kinase 1α governs antigen-receptor-induced NF-κB activation and human lymphoma cell survival p.92

doi: 10.1038/nature07613

遺伝:トランスクリプトームの塩基配列決定により、がんにおける遺伝子融合を検出する

Transcriptome sequencing to detect gene fusions in cancer p.97

doi: 10.1038/nature07638

構造生物学:In-cell NMR分光法による生きた細胞中のタンパク質の構造決定

Protein structure determination in living cells by in-cell NMR spectroscopy p.102

doi: 10.1038/nature07814

構造生物学:ヒト細胞内におけるタンパク質の高分解能多次元NMR

High-resolution multi-dimensional NMR spectroscopy of proteins in human cells p.106

doi: 10.1038/nature07839

「Journal home」に戻る

プライバシーマーク制度