銀河形成における合体の役割は、ほとんどの巨大銀河がそれらの中心核にブラックホールをもっているという知見と考え合わせると、連星系の超大質量ブラックホールは普通に存在するはずであることを示している。本論文では、クエーサー SDSS J153636.22+044127.0が、そのような系の例である可能性が高いことを報告する。このクエーサーは、速度にして3,500 km s−1の差をもつ2つの幅広い輝線系を示す。解像されなかった吸収線の第三の系は、中程度の速度をもつ。これらの特徴は既知のクエーサーの中で独特のものである。この天体は、太陽質量の107.3倍と108.9倍の質量をもち、約0.1パーセク離れた2つのブラックホールからなる連星系で、およそ100年の周期で軌道を回っていると解釈される。