Volume 454 Number 7200

Editorials

60周年を迎えた英国のNHS(国民医療サービス)は、生物医学研究の活性化にも力を発揮しそうだ。

p.1

doi: 10.1038/454001b

世界は、飽食と飢餓という2つの栄養問題に対し、科学的に、また教育や生活習慣などの面からも改善に取り組むべきだ。

p.1

doi: 10.1038/454001a

シャリテ-ベルリン医科大学は、医学分野の価値ある歴史的資料の保存を図るべきだ。

p.2

doi: 10.1038/454002a

News

ドイツのマックスプランク研究所の教授が、解釈に誤りのある論文を許可なく発表したと、学生と科学雑誌を告発。

p.6

doi: 10.1038/454006a

トルコの著名な地質学者が、政治的発言が理由で高等教育審議会入りを拒否されたと抗議。

p.6

doi: 10.1038/454006b

NASAが、これまでで最も太陽に近付いてコロナを調べる新たな探査計画を。

p.7

doi: 10.1038/454007a

公開科学論文雑誌PLoSが創刊から5年を迎えたが、財政基盤はまだ不安定。

p.11

doi: 10.1038/454011a

北海道洞爺湖サミットでは、気候変動問題が最重要課題に。

p.12

doi: 10.1038/454012b

News Features

昆虫学:虫たちの戦場

p.18

砂漠での軍の活動には、リーシュマニア症などを媒介するサシチョウバエ対策が欠かせない。

doi: 10.1038/454018a

霊長類の進化:ヒトであること

Details of being human p.21

何がヒトと他のサルとを分けているのかを考え、1個の分子の違いに着目した研究者がいる。

doi: 10.1038/454021a

ボイジャー探査計画:長かった未知の旅

p.24

1977年に打ち上げられたNASAのボイジャー探査機は、太陽系についてさまざまな発見をもたらし、今もなお貴重な情報を送ってきている。

doi: 10.1038/454024a

News & Views

生命の起源:原始細胞の透過性はどのくらい?

p.37

最初に出現した細胞が単なる小胞にすぎないとしたら、輸送タンパク質の助けなしでどうやって栄養素に膜を通過させたのだろうか。原始細胞のモデルでは、初期の膜は意外な透過性を備えていたことが示唆されている。

doi: 10.1038/454037a

太陽系:ボイジャー2号からの衝撃のデータ

A shock for Voyager 2 p.38

探査機ボイジャー2号はボイジャー1号に続いて、超音速の太陽風の末端を越える領域に入り込みつつある。そこは星間空間の影響が増大してくる場所で、探索は新しい局面に入った。

doi: 10.1038/454038a

生態学:ニッチ再び

p.39

群集生態学では、「ニッチ分割」と「中立説」という2つの考え方がトップの座を争い合っている。熱帯林で高木の数度パターンが調べられ、この2つの理論それぞれの影響について再考を促すものになった。

doi: 10.1038/454039a

大気化学:地球が作り出した太古の光化学スモッグ

p.41

硫黄同位体の歴史におけるちょっとした異常は、古代の生物圏によって放出されたメタンが、高い上空に光化学スモッグを作り出したことを示しているのかもしれない。こうしたスモッグにより、地球全体が自己制御された生命体となって気候を支配していたのだ。

doi: 10.1038/454041a

物理化学:分子がはね返らない場合

p.43

圧縮できるバネに2つの球がくっついている形の簡単な分子があるとして、その一方の端に外からきた原子がぶつかったら、バネが縮み、分子は振動して後ろにはね飛ばされるだろう。だが、本当にそうなのだろうか。

doi: 10.1038/454043a

幹細胞:起動能力に対する注意点

p.45

特定の遺伝子をたった4つ導入するだけで、成体細胞を胚性幹細胞に似た状態へ戻すことができる。この過程の効率はたった1%という低さだが、これをもっと向上させるための2つの注意点が明らかになった。

doi: 10.1038/454045a

気候変動:海洋の生物多様性と酸性度

p.46

大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、海洋の酸性化につながる。地中海の1カ所で、海底火山による自然発生的な炭酸化作用が起き、海洋生態系に対する炭酸化の影響がどのようなものかについての手がかりが得られた。

doi: 10.1038/454046a

Articles

遺伝:統合的ゲノム解析による直接的初期化の分析

Dissecting direct reprogramming through integrative genomic analysis p.49

doi: 10.1038/nature07056

細胞:SMADタンパク質はDROSHAを介したマイクロRNAの成熟を制御する

SMAD proteins control DROSHA-mediated microRNA maturation p.56

doi: 10.1038/nature07086

Letters

宇宙:末端衝撃波面における低温のヘリオシースプラズマと風上側の太陽風の減速

Cool heliosheath plasma and deceleration of the upstream solar wind at the termination shock p.63

doi: 10.1038/nature07024

宇宙:非熱的イオンによる太陽風末端衝撃波面の媒介

Mediation of the solar wind termination shock by non-thermal ions p.67

doi: 10.1038/nature07030

宇宙:非対称な太陽風末端衝撃波面

An asymmetric solar wind termination shock p.71

doi: 10.1038/nature07022

宇宙:太陽風末端衝撃波面における磁場

Magnetic fields at the solar wind termination shock p.75

doi: 10.1038/nature07029

宇宙:太陽風末端衝撃波面およびその付近での強力なプラズマ波

Intense plasma waves at and near the solar wind termination shock p.78

doi: 10.1038/nature07023

宇宙:中性原子の観測から明らかにされた、衝撃波加速されたピックアップ・イオンが大部分を占めるヘリオシース圧

Domination of heliosheath pressure by shock-accelerated pickup ions from observations of neutral atoms p.81

doi: 10.1038/nature07068

材料:ソフトガラス状の流れにおける空間的協同性

Spatial cooperativity in soft glassy flows p.84

doi: 10.1038/nature07026

化学:「綱引き型」非弾性衝突を介した振動励起

Vibrational excitation through tug-of-war inelastic collisions p.88

doi: 10.1038/nature07079

地球:ジャックヒルで得られたジルコンに含まれるダイヤモンドに記録された軽い炭素貯蔵庫

A light carbon reservoir recorded in zircon-hosted diamond from the Jack Hills p.92

doi: 10.1038/nature07102

生態:火山性の二酸化炭素噴出孔から明らかになった、海洋酸性化が生態系に及ぼす影響

Volcanic carbon dioxide vents show ecosystem effects of ocean acidification p.96

doi: 10.1038/nature07051

生態:絶滅リスクは確率性に寄与する要因に大きく左右される

Extinction risk depends strongly on factors contributing to stochasticity p.100

doi: 10.1038/nature06922

生理:Tbx18心外膜細胞に由来する心筋細胞系列

A myocardial lineage derives from Tbx18 epicardial cells p.104

doi: 10.1038/nature06969

発生:発生中の心臓では心外膜前駆細胞が心筋細胞系列の一部を担う

Epicardial progenitors contribute to the cardiomyocyte lineage in the developing heart p.109

doi: 10.1038/nature07060

神経:線虫の味覚ニューロンの機能的非対称性と走化性におけるその計算的役割

Functional asymmetry in Caenorhabditis elegans taste neurons and its computational role in chemotaxis p.114

doi: 10.1038/nature06927

医学:側坐核でのGluR2欠失型AMPA受容体の形成がコカイン渇望の増幅に関与する

Formation of accumbens GluR2-lacking AMPA receptors mediates incubation of cocaine craving p.118

doi: 10.1038/nature06995

進化:モデル原始細胞での鋳型の指示に従った遺伝的ポリマーの合成

Template-directed synthesis of a genetic polymer in a model protocell p.122

doi: 10.1038/nature07018

細胞:誘導されたncRNAはRNA結合タンパク質アロステリック修飾して転写をシスに阻害する

Induced ncRNAs allosterically modify RNA-binding proteins in cis to inhibit transcription p.126

doi: 10.1038/nature06992

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