Letter

宇宙:中性原子の観測から明らかにされた、衝撃波加速されたピックアップ・イオンが大部分を占めるヘリオシース圧

Nature 454, 7200 doi: 10.1038/nature07068

太陽風は、太陽の近傍を流れる局所的な星間媒質(大部分が中性ガス)内に、巨大な磁気泡である太陽圏を作り出している。太陽風がヘリオシースに入る前に亜音速にまで減速する領域である末端衝撃波面を通過する際にボイジャー2号が行った最近の観測結果では、衝撃波により減速した太陽風プラズマは、末端衝撃波面によって解放されるエネルギーのわずか20パーセント程度しかもっておらず、また約28 keVより高エネルギーの粒子はわずか10パーセント程度しかもっていない。したがって、約70パーセントのエネルギーが説明できないことから、測定にかかっていないピックアップ・イオンか28 keV以下の高エネルギー粒子が、このミッシングエネルギーをもっていると推論されるようになった。本論文では、超熱的イオンと星間中性原子との電荷交換によって発生した、ヘリオシースに高エネルギー中性原子(約4〜20 keV)を検出しマッピングした結果を報告する。この高エネルギー中性原子は、近傍の星間媒質の方向を挟んで黄経方向に約60 °の範囲からやってくる。これらのエネルギースペクトルは、太陽風のピックアップ・イオンのスペクトルに類似しているが、4 keV付近ではなく11 keV付近に折れ曲がり(knee)をもつことから、末端衝撃波面によってエネルギーを得たピックアップ・イオンが親イオンであることを示している。これらの末端衝撃波面からエネルギーを得たピックアップ・イオンは、末端衝撃波面で散逸したエネルギーの約70パーセントにあたるミッシングエネルギーをもち、ヘリオシース内の圧力の大部分を占める。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度