注目の論文
環境も民族性も遺伝子発現の差異に影響する
Nature Genetics
2009年12月7日
Environment and ethnicity influence gene expression
遺伝的要因と環境的要因の両方が、遺伝子発現の差異に影響を及ぼすことを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
遺伝子発現の制御に異常があると、疾患の発症や発生過程の阻害の一因になることが多いため、研究者は、一般に、遺伝子発現を用いて遺伝子の活性レベルを測定する。それに加えて、農村部と都市部の生活習慣は、喘息、糖尿病、がんをはじめとするさまざまな疾患の発症率の違いに関連している。クイーンズランド医学研究所(オーストラリア・ブリズベン)のG Gibsonらは、遺伝子発現における遺伝的影響と地理的影響を調べるため、モロッコ南部の1つの都市と2つの農村部に居住するアラブ人とベルベル人(合計194人)から採取された白血球サンプルを用いて遺伝子発現解析を行った。
その結果、居住地域という環境的要因が遺伝子発現に大きく影響することがわかった。しかし、こうした遺伝子発現の違いが、都市部と農村部における健康上のリスクの違いとどのように関係しているか、という点を解明するには、さらなる研究が必要である。また、Gibsonらは、上述した194人のゲノム解析も行い、サンプル採取された全地域において、遺伝子発現レベルに影響する遺伝子多型が数百種類存在していることを見いだした。今回の研究では、遺伝的要因に加えて、環境的要因も遺伝子発現の違いに寄与していることが明らかになった。
doi: 10.1038/ng.495
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