注目の論文
ミツバチのゲノムに見る進化の特徴
Nature Genetics
2014年8月25日
Signatures of evolution in the honeybee genome
30万年以上前、ミツバチが局所環境に適応する際に役立ったゲノム変化が突き止められた。セイヨウミツバチ(Apis mellifera)は、重要な花粉媒介生物種だが、近年、そのコロニーが著しく減少している。その原因ははっきりしていないが、気候変動の影響や、セイヨウミツバチに特有の病気の蔓延の可能性が考えられてきた。セイヨウミツバチの集団間での遺伝的多様性を調べることは、セイヨウミツバチのさまざまな環境への適応過程の解明や、一部のセイヨウミツバチの持つ病気への耐性の理解に役立つ可能性がある。
今回、M Websterたちは、ヨーロッパ、アフリカ、中東、米国、ブラジルの14集団を構成する140匹のセイヨウミツバチについて、ゲノムの塩基配列解読を行った。その結果、適応進化の特徴を示す約3,000個の遺伝子が見つかった。これらの遺伝子は、越冬、免疫など数多くの重要な機能に関係していた。また、過去30万年にわたる気候の変化によってセイヨウミツバチの集団内個体数が影響を受けたことも分かった。例えば、個体数がピークに達したのは、アフリカでは氷期で、ヨーロッパでは間氷期だった。
doi: 10.1038/ng.3077
注目の論文
-
5月9日
生物学:人為起源の地球規模の変化が感染症伝播リスクに影響を及ぼしているNature
-
5月8日
生態学:マッコウクジラの複雑な鳴音を調べるNature Communications
-
5月7日
遺伝学:APOE4遺伝子バリアントはアルツハイマー病の他とは異なる遺伝的タイプである可能性があるNature Medicine
-
5月3日
動物学:薬用植物を使って創傷治療を行う野生動物が初めて報告されるScientific Reports
-
5月3日
進化学:地球の磁場が弱くなっていたために地球上の生物の多様化が進んだのもしれないCommunications Earth & Environment
-
5月2日
人類学:長期的レジリエンスは苦難によって構築されるNature