注目の論文
野生種のトマトに見つかったストレス耐性遺伝子
Nature Genetics
2014年7月28日
Stress tolerance genes found in wild tomato species
野生種のトマトであるSolanum pennelliiのゲノム塩基配列が解読された。
味がいっそう良く、しかもストレス耐性の高いトマトの育種に役立つ可能性がある。S. pennelliiは、南米産の野生種のトマトで、食用ではないが、現在、食用種のトマト(Solanum lycopersicum)の形質を改良するための異種交配に使われている。B Usadelたちは、ストレスの多い条件に耐える能力など、さまざまな有益な形質に寄与する遺伝子を同定するために、野生種トマトゲノムの塩基配列を解読した。
その結果、脱水耐性、果実の発生、果実の後熟に関連する遺伝子が見つかった。また、野生種に高い濃度で含まれている果実の香りとフレーバーに関わる揮発性化合物に関係する遺伝子も明らかになった。食用種のトマトでは、苦味が排除される選択があったため、揮発性化合物の多くが失われていた。トマトの全ゲノム解読はまだ2種でしか行われておらず、S. pennelliiのゲノムは、トマトの進化と遺伝の研究で注目を集めるだろう。
doi: 10.1038/ng.3046
注目の論文
-
5月29日
社会科学:研究テーマの変更は被引用数の減少につながるかもしれないNature
-
5月28日
古生物学:クジラの骨から作られた最古の道具の証拠Nature Communications
-
5月27日
生態学:世界的に過小評価されている外来種のコストNature Ecology & Evolution
-
5月22日
微生物学:効果的な新しい抗マラリア薬は寄生生物を標的とするNature
-
5月21日
医学:非接触型無線モニタリングによる心臓不整脈の検出Nature Communications
-
5月20日
人工知能:大規模な言語モデルは、オンライン討論において人間よりも説得力を持つことができるNature Human Behaviour