注目の論文
自閉症の遺伝的構造
Nature Genetics
2014年7月21日
Genetic architecture of autism disorder
自閉症の遺伝的リスクの原因の大半は、多くの家族から見つかっている高頻度の遺伝子多様体によると結論づけた研究論文が、今週のオンライン版に掲載される。この結果は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の遺伝的基盤に関する今後の研究に役立つと考えられる。
ASDの遺伝的構造に関して、ASDと相関する確率が高いのは、家族特異的な遺伝子多様体(「まれな変異」)なのか、集団内での出現頻度の高い遺伝子多様体なのか、という論点があるが、最近の研究では、一致した結論が得られていない。 今回、Joseph Buxbaumたちは、ASDと診断された10~65歳のスウェーデン人の血液サンプルを調べることで、この論点に取り組んだ。スウェーデン政府は、国民の詳細な医療記録と出生記録を保管しており、この点で、今回の研究の母集団は独特な集団といえる。Buxbaumたちは、スウェーデン人の自閉症患者と非患者の遺伝的差異を調べ、患者のDNA塩基配列をもとに自閉症の発症リスクを計算した。その結果、自閉症の発症リスクの原因の大部分が、1つの家族に特異な遺伝子多様体ではなく、複数の家族間に共通する遺伝子多様体であることが判明した。これは、過去の一部の研究報告と逆の結果となった。
doi: 10.1038/ng.3039
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