注目の論文
【幹細胞】ヒト幹細胞から光を感知する網膜を作り出す
Nature Communications
2014年6月11日
Stem cells: From human stem cells to light-sensing retinas
光を感知できる網膜組織が、ヒトの誘導多能性幹細胞から作り出され、その結果、ヒトの網膜の発生と失明の原因疾患を調べるためのシステムが得られた。この成果を報告する論文が、今週掲載される。
数多くの形態の失明は、網膜での光の感知に関わっている視細胞の機能異常や喪失を原因としている。誘導多能性幹細胞(iPS細胞)は、こうした疾患のモデル化や治療薬候補として大きな可能性を秘めている。そして、これまでの研究で、視細胞を含む網膜組織を培養ヒトiPS細胞から作製できることが明らかになっていた。
今回、Maria Valeria Canto-Solerたちは、次の段階に進み、発生中のヒトの眼と解剖学的構造が類似し、生物の視細胞と同じように光に応答する視細胞を含む網膜組織をヒトiPS細胞から作製できることを明らかにした。
今回の研究は、ヒトiPS細胞を治療に用いる可能性を直接検証していないが、期待されているヒトiPS細胞を用いた疾患モデルの作製を実現に近づけており、未来の治療法の開発に向けた一歩となった。
doi: 10.1038/ncomms5047
注目の論文
-
11月14日
医学:豚からヒトへの腎臓移植の長期経過観察Nature
-
11月14日
生態学:鳥インフルエンザがサウスジョージア島の繁殖期のゾウアザラシ個体数を半減させるCommunications Biology
-
11月13日
気候変動:ムンバイにおける異常降雨に関連した不均衡な死亡率Nature
-
11月11日
加齢:多言語使用は老化の加速を防ぐかもしれないNature Aging
-
11月11日
バイオテクノロジー:超音波がマウスの脳卒中後の脳内残留物を除去するのに役立つNature Biotechnology
-
11月6日
神経科学:時間の経過とともに発達する脳の変化を解明するNature
