注目の論文
バイオニック植物
Nature Materials
2014年3月17日
Bionic plants
自発的に葉緑体(光合成システムを内蔵した植物細胞の細胞小器官)内に侵入する合成ナノ粒子で植物の光合成活性を向上できることが、今週のオンライン版に報告されている。今回、ナノ粒子によって生きた植物の本来の機能が増強された上、生きた植物に非本来的な機能も付与されたことが見いだされた。これにより、日光と水と二酸化炭素を使って成長し自己修復するような合成材料が実現する可能性が期待される。
Michael Stranoたちは、植物抽出物と生きた葉の両方において、カーボンナノチューブやセリア(希土類金属セリウムの酸化物)含有ポリマーナノ粒子が葉緑体内に侵入した後その場に残留し、光合成活性を増強することを示している。研究者たちは、こうした増強が起こる原因として、ナノ粒子が捕捉光のスペクトルを広げ、ラジカル酸素種(光合成システムにダメージを与えうる)を除去する植物本来のプロセスを促す可能性を指摘している。さらに、ナノ粒子によって、生きた葉が汚染物質である一酸化窒素の存在を検出するなど、通常とは異なる機能を発揮することを実証している。
doi: 10.1038/nmat3890
注目の論文
-
10月3日
神経科学:ショウジョウバエの脳の完全な地図Nature
-
9月26日
ウイルス学:牛のH5N1型インフルエンザは搾乳によって広がる可能性があるNature
-
9月26日
進化:哺乳類の顎関節の起源を調査するNature
-
9月24日
生態学:タコと魚の狩猟グループにおける共同リーダーシップNature Ecology & Evolution
-
9月19日
気候変動:将来の干ばつは予想以上に長期化する可能性Nature
-
9月17日
神経科学:妊娠に伴う脳の変化を調査するNature Neuroscience