注目の論文
2009年型H1N1ノイラミニダーゼの外観
Nature Structural & Molecular Biology
2010年9月20日
A look at the 2009 H1N1 neuraminidase
2009年型インフルエンザH1N1ノイラミニダーゼ(NA)の構造がNature Structural & Molecular Biology(電子版)で報告されている。NAは薬剤の標的となるウイルスタンパク質であり、研究によるとこのウイルス株のNAは他の近縁のインフルエンザウイルス株のものとは異なり、将来の治療法や薬剤開発に影響を及ぼすかもしれない。
インフルエンザA H1N1株は「ブタインフルエンザ」ともよばれ、2009年春に発生し世界規模で広まった。ノイラミニダーゼ(NA)はタミフルなどの薬剤の標的となるウイルスタンパク質で、配列に基づきいわゆる1型に分類される。G GaoらはH1N1 NAの構造を解析し、既知の1型NAすべてにみられる空洞が欠けていることを明らかにした。研究はH1N1の異常な特徴に着目し、この空洞に結合する薬剤はH1N1には効かないであろうと指摘している。
doi: 10.1038/nsmb.1909
注目の論文
-
5月9日
生物学:人為起源の地球規模の変化が感染症伝播リスクに影響を及ぼしているNature
-
5月8日
生態学:マッコウクジラの複雑な鳴音を調べるNature Communications
-
5月7日
遺伝学:APOE4遺伝子バリアントはアルツハイマー病の他とは異なる遺伝的タイプである可能性があるNature Medicine
-
5月3日
動物学:薬用植物を使って創傷治療を行う野生動物が初めて報告されるScientific Reports
-
5月3日
進化学:地球の磁場が弱くなっていたために地球上の生物の多様化が進んだのもしれないCommunications Earth & Environment
-
5月2日
人類学:長期的レジリエンスは苦難によって構築されるNature