注目の論文
【生物学】体熱産生の進化上の起源
Nature Communications
2013年7月17日
Biology: The evolutionary origin of body heat
大部分の哺乳類において、体温調節能力は、仔を保護し、幼若体の死亡率を減らすための機構として進化してきたという見解を示す論文が、今週掲載される。
体温を安定した状態に維持する能力は、哺乳類が、寒冷な気候を活用するうえで役立った可能性が非常に高い。ヒトを含む大部分の哺乳類は、震えることで体熱を産生するが、褐色脂肪によって、震えを伴わずに体熱を産生することもできる。
Martin Jastrochたちは、震えを伴わない熱産生の起源と進化上の役割について解明を進めるため、マダガスカルに生息するヒメハリテンレックを調べた。この動物は、短時間しか体温を一定レベルに維持できない。今回、ヒメハリテンレックにおける褐色脂肪の分布が判明し、非震え熱産生が特に妊娠期間中に重要である可能性が示唆されている。Jastrochたちは、進化の過程を通じて、非震え熱産生が仔育ての第1段階のために選択され、非震え熱産生の存在が、その後、哺乳類種の寒冷気候への放散を促進したと考えている。
doi: 10.1038/ncomms3140
注目の論文
-
9月12日
環境:アマゾン先住民の領域が人間の健康に恩恵をもたらすCommunications Earth & Environment
-
9月12日
動物学:タコはあらゆる作業に最適な腕を前面に出すScientific Reports
-
9月11日
古生物学:トカゲのような生物の起源をさらに遡るNature
-
9月11日
環境:2023年のカナダ山火事の長期的な影響を評価するNature
-
9月10日
健康:大麻の使用は女性の生殖能力に影響を与えるかもしれないNature Communications
-
9月9日
気候変動:気温の上昇が添加糖の消費量の増加と関連しているNature Climate Change