注目の論文
かゆくてやめられない
Nature Neuroscience
2009年9月14日
Itching to quit
Nature Neuroscience(電子版)の論文によると、ニコチンは、炎症反応にかかわることで知られるイオンチャネルを活性化する。このチャネルは皮膚、鼻腔や口腔の上皮にあり、ニコチン置換療法の炎症性副作用の原因となる可能性がある。
ニコチンパッチなどの置換療法で生じる炎症は、皮膚や鼻腔、口腔上皮からの痛み刺激を伝える神経にあるニコチン受容体の活性化が原因だと考えられていた。しかしTalaveraらは、マウスで、刺激性物質の情報や炎症痛を伝えるチャネルとして知られるTRPA1を、同じくニコチンが直接活性化することを示している。TRPA1を欠損したマウスは、ニコチンを鼻腔内投与しても全く炎症を起こさなかった、とも報告されている。
この発見は、より副作用の少ない禁煙治療法の開発に役に立つかもしれない。
doi: 10.1038/nn.2379
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