パーキンソン病における遺伝子-環境相互作用の手がかり
Nature Genetics
2009年2月2日
Clue to gene-environment interaction in Parkinson’s disease
なぜ金属マンガンへの曝露がパーキンソン病の危険因子であるのか、という点について1つの説明を示した論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
パーキンソン病は、重要な神経伝達物質であるドーパミンを産生するニューロンが消失することを特徴とする神経変性疾患で、その結果として、振戦(ふるえ)、筋強剛やその他の関連した症状があらわれる。これまでの研究では、パーキンソン病患者の一部で、いくつかの遺伝子の変異が同定されていたが、その相互のつながりは判明していなかった。
ホワイトヘッド生物医学研究所(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)のS Lindquistらは、酵母細胞を使った実験で、パーキンソン病に関連したタンパク質の1つであるα-シヌクレインを原因とする毒性が、別のパーキンソン病関連タンパク質ATP13A2の共発現によって抑制できることを実証し、この2つのタンパク質に関連した機能があるという考え方を示している。また、Lindquistらは、ラットの培養ニューロンでも、この遺伝的相互作用を観察した。ATP13A2は、金属輸送体の1つと推定されており、この研究チームは、ATP13A2をコードする遺伝子を欠損した酵母細胞のほうが、マンガンに対する感受性が高いことを明らかにした。
マンガンへの曝露は、パーキンソン病の既知の危険因子であるため、今回の研究によって、ATP13A2、α-シヌクレインまたはこの経路に含まれる他のタンパク質をコードする遺伝子に変異のある者は、特にマンガン毒性に対する感受性が高いという可能性が示された。
doi: 10.1038/ng.300
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