注目の論文
てんかんの免疫学
Nature Medicine
2010年3月29日
The immunology of epilepsy
免疫防御応答にかかわることが知られている情報経路の1つが、てんかんにも関係しているらしい。この発見は、新しい抗けいれん薬の開発に役立つ可能性がある。
脳の炎症はてんかんの重要な要因の1つだが、特定の炎症性分子がてんかんに与える影響については、完全には解明されていない。マウスの数種類のてんかんモデルを用いて、Annamaria Vezzaniたちは、HMGB1とよばれる分子がニューロンと神経膠から放出されることを発見した。このHMGB1が、病原体に対する免疫応答の主要な受容体の1つTLR4と結合して、発作を引き起こすこともわかった。
HMGB1とTLR4の作用を阻害すると、発作の頻度が減少することも判明した。TLR4をもたないマウスは、発作を引き起こすことが知られている誘引に対して、抵抗性を示した。また、患者のてんかん源となる組織でHMGB1とTLR4レベルが上昇していることから、この機構がヒトのてんかんでも関係している可能性が示唆される。この機構は、新しい抗けいれん薬開発の標的になるかもしれない。
doi: 10.1038/nm.2127
注目の論文
-
12月4日
社会科学:不安定なビデオ通話は、会話だけでなくそれ以上のものを損なうNature
-
12月3日
動物の行動:病気のアリはコロニーを守るため自ら犠牲となるよう合図するNature Communications
-
12月2日
代謝:初期の感覚刺激がマウスの肥満リスクを形作るかもしれないNature Metabolism
-
12月2日
ウイルス学:ヘテロ接合型CCR5 Δ32幹細胞移植後のHIV-1寛解Nature
-
11月28日
心理学:インスタグラムのユーザーはソーシャルメディア依存症を過大評価しているScientific Reports
-
11月27日
人類学:古代の「謎の」足の持ち主を発見Nature
