注目の論文
移植片対宿主病に関連する遺伝的ミスマッチ
Nature Genetics
2009年11月23日
Mismatch associated with graft-versus-host-disease
UGT2B17遺伝子が関与する遺伝的ミスマッチが急性移植片対宿主病のリスクに関連していることを報告する論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。
移植片対宿主病(GVHD)は、骨髄移植後の一般的な合併症で、臓器提供者(ドナー)由来の細胞が宿主(移植患者、レシピエント)の体に対して起こす免疫応答を原因とする。GVHDの発症率は、ドナーとレシピエントが血縁関係にある場合には30~40%、ない場合には60~80%となっている。
ブロード研究所(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)のS McCarrollらは、ドナーとレシピエントが兄弟姉妹(同胞)の関係にある1,000組以上について遺伝子欠失解析を行い、ドナーのUGT2B17遺伝子が2コピーとも欠失しており、レシピエントにはそのような欠失のない場合に急性GVHDのリスクが高くなることを見いだした。ドナー・レシピエント間でのUGT2B17遺伝子のミスマッチがGVHDのリスクに及ぼす影響力は、既に確立されている性別のミスマッチ(例えば女性ドナーと男性レシピエント)の影響力と同じ程度とされる。
doi: 10.1038/ng.490
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