注目の論文
議論が分かれていたクローン病のリスク因子が判明
Nature Immunology
2009年4月7日
Controversial Crohn's disease risk factor clarified
ある遺伝的変異があると慢性の炎症性腸疾患クローン病のリスクが上昇するが、その理由が明らかになった。
これまでの研究で、この変異(病原体検出因子NOD2の遺伝子が分断される)をもつヒト細胞は、抗炎症タンパク質インターロイキン10の分泌量が少ないことが知られていた。しかし、同様な変異をもつよう遺伝子操作したマウス細胞は、インターロイキン10の生産量は正常であった。
X Maたちは、このヒトNOD2変異体では、ヒトインターロイキン10遺伝子の発現に必要なhnRNPA1の活性化が妨げられることを明らかにした。特に注意すべきは、このヒトNOD2変異体が、マウスインターロイキン10遺伝子の発現には全く影響しないことである。
この知見は、クローン病に結びつく細胞レベルの変化の手がかりになると同時に、ヒトの免疫疾患の研究にあたってマウスモデルだけに頼ることの危険性をも教えてくれる。
doi: 10.1038/ni.1722
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