注目の論文
アジア人におけるB型肝炎リスク
Nature Genetics
2009年4月7日
Risk for hepatitis B in Asians
アジア人におけるB型肝炎ウイルスの持続感染リスクと関連する遺伝子多型が同定されたことを報告する研究論文が、Nature Genetics(電子版)に掲載される。慢性B型肝炎は、最も一般的な感染性肝疾患の1つで、B型肝炎ウイルス(HBV)が原因となっている。
今回、中村祐輔(東京大学医科学研究所)らは、アジア人を対象とした関連解析を行い、HLA-DPA1遺伝子とHLA-DPB1遺伝子を含むゲノム領域内の11個の遺伝子多型と慢性B型肝炎感染との間に有意な関連があることを明らかにした。この2つの遺伝子は、HBVに対する有効な免疫応答を始動させるために非常に重要なタンパク質がコードされている遺伝子と構造が似ている。
全世界には、推定4億人のHBV慢性感染者がおり、肝臓がんの約60%が慢性B型肝炎や肝硬変と関係がある。HBV感染後の臨床転帰には大きな個人差があるため、HBVが引き起こす肝疾患の進行に関係する遺伝的要因と環境要因を同定することが極めて大事である。
doi: 10.1038/ng.348
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